【2026年版】親が亡くなったらまず何から始める? 相続手続の流れと期限を浜松の相続弁護士が解説

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親が亡くなると、悲しみの中で葬儀や役所への届出など、数多くの手続きを進めなければなりません。

さらに、その後には相続に関する様々な手続が待っています。

「何から始めればよいのか分からない」

「期限がある手続はあるの?」

「相続放棄はいつまでにすればいいの?」

このようなご相談は、浜松市や静岡県西部でも数多く寄せられています。

相続手続の中には、期限を過ぎると利用できなくなる制度もあります。また、手続の順番を誤ると、思わぬトラブルにつながることもあります。

そこで今回は、親が亡くなった後に行う相続手続を時系列で分かりやすく解説します。

まず確認したい 相続手続チェックリスト

相続手続は、大まかに次の流れで進みます。

  • □ 死亡届の提出・葬儀
  • □ 遺言書の有無を確認する
  • □ 相続人を調査する
  • □ 相続財産を調査する
  • □ 相続放棄をするか検討する(原則3か月以内)
  • □ 遺産分割協議を行う
  • □ 預貯金や不動産の名義変更を行う
  • □ 相続税の申告・納付を行う(必要な場合は10か月以内)

すべての相続で同じ手続が必要になるわけではありませんが、この流れを知っておくことで、落ち着いて対応しやすくなります。

STEP1 まずは葬儀や死亡届などの手続を行う

ご家族が亡くなられた直後は、死亡届の提出や葬儀・火葬などの手続を進めることになります。

相続手続そのものではありませんが、この時期に受け取る死亡診断書や戸籍関係の書類は、後の相続手続でも必要になることがあります。

慌ただしい時期ではありますが、重要な書類は紛失しないよう保管しておきましょう。

STEP2 遺言書がないか確認する

次に確認したいのが、遺言書の有無です。

遺言書がある場合には、その内容が相続手続の出発点になります。

自宅で自筆証書遺言が見つかることもありますが、この場合には注意が必要です。

法務局の自筆証書遺言書保管制度を利用していない自筆証書遺言については、家庭裁判所で「検認」の手続が必要になる場合があります。

そのため、遺言書を発見しても、自己判断で開封したり手続を進めたりせず、まずは内容や保管方法を確認することが大切です。

また、公正証書遺言が作成されているケースもありますので、遺言書の有無が分からない場合には、公証役場や法務局の制度利用の有無も確認するとよいでしょう。

STEP3 相続人を調査する

遺産分割は、相続人全員で行う必要があります。

そのため、まず誰が相続人になるのかを確定しなければなりません。

一般的には、亡くなられた方の出生から死亡までの戸籍を取得し、法定相続人を確認します。

例えば、

  • 前婚の子どもがいる
  • 認知した子どもがいる
  • 養子縁組をしている

といったケースでは、思わぬ相続人が判明することもあります。

相続人を漏らしたまま遺産分割を行うと、その協議は原則として有効とはいえません。

後から手続をやり直すことにもなりかねませんので、戸籍調査は慎重に行う必要があります。

STEP4 相続財産を調査する

相続では、預貯金や不動産だけではなく、借金などの負債も引き継ぐ可能性があります。

まずは財産の全体像を把握しましょう。

調査対象としては、例えば次のようなものがあります。

  • 預貯金
  • 不動産
  • 株式・投資信託
  • 生命保険
  • 自動車
  • 借入金
  • クレジットカードの未払金
  • 保証債務

最近では、ネット銀行やネット証券を利用されている方も増えています。

通帳がなく、スマートフォンだけで資産を管理しているケースもあるため、デジタル資産の確認も重要です。

財産調査が不十分なまま遺産分割を行うと、後から新たな財産や借金が判明し、トラブルになることがあります。

そのため、遺産分割を始める前に、できる限り財産を把握しておくことが大切です。

スマートフォンやデジタル遺産に関しては、こちらのコラムもご覧ください。

亡くなった夫のスマホが開けない! 相続で増えている「デジタル遺産」の問題を弁護士が解説

STEP5 相続放棄をするか検討する【原則3か月以内】

相続財産を調査した結果、借金などの負債が多いことが判明した場合には、相続放棄を検討することになります。

相続放棄は、原則として、自分のために相続の開始があったことを知った日から3か月以内に家庭裁判所へ申述しなければなりません。

この期間を過ぎると、原則として相続放棄は認められなくなります。

(もっとも、相続財産の内容がすぐには分からない場合などには、家庭裁判所へ期間の伸長を申し立てられる場合があります。)

「まだ時間がある」と考えているうちに期限を過ぎてしまうケースも少なくありません。

なお、例外的に3ヶ月間を過ぎても相続放棄が認められるケースについては、こちらのコラムもご覧ください。

浜松で相続放棄の期限3か月を過ぎたら?認められるケースを弁護士が解説

https://hamamatsu.shibata-law.jp/archives/1208

STEP6 遺産分割協議を行う

遺言書がない場合には、相続人全員で「誰がどの財産を取得するか」を話し合う遺産分割協議を行います。

話し合いがまとまったら、その内容を「遺産分割協議書」として書面に残すのが一般的です。

もっとも、次のようなケースでは、遺産分割協議を進める前に別の手続が必要になることがあります。

  • 相続人の一人が認知症などにより判断能力を欠いている場合
  • 相続人の所在が分からない場合
  • 未成年者が相続人となっている場合
  • 相続人同士で意見が対立している場合

このようなケースでは、成年後見制度や不在者財産管理人の選任など、家庭裁判所の手続が必要になることもあります。

また、相続人全員が参加していない遺産分割協議は、原則として有効とは認められません。

相続人の範囲を確認したうえで、慎重に手続きを進めることが重要です。

STEP7 預貯金や不動産の名義変更を行う

遺産分割協議がまとまったら、各財産の名義変更を進めます。

主な手続には、次のようなものがあります。

  • 預貯金の払戻し・名義変更
  • 不動産の相続登記
  • 株式・投資信託の名義変更
  • 自動車の名義変更

特に不動産については、2024年4月から相続登記が義務化されました。

相続によって不動産を取得したことを知った日から3年以内に相続登記を申請しなければならず、正当な理由なく義務に違反した場合には過料の対象となる可能性があります。

そのため、「急いで売却する予定がないから」と登記を後回しにすることはおすすめできません。

STEP8 相続税の申告・納付は原則10か月以内

相続税が発生する場合には、被相続人が亡くなった日の翌日から10か月以内に申告・納付を行う必要があります。

もっとも、すべての相続で相続税がかかるわけではありません。

相続税には基礎控除があり、

3,000万円+600万円×法定相続人の数

を超えない場合には、原則として相続税は課税されません。

一方で、配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例など、申告を行うことによって適用を受けられる制度もあります。

財産額によっては、早い段階で税理士などの専門家へ相談することも検討するとよいでしょう。

相続でよくある5つの失敗

相続では、「もっと早く相談していれば防げたのに」というケースが少なくありません。

特に、浜松で寄せられた相談の中でも、次のような失敗は実際によく見られます。

① 相続財産を十分に調べないまま遺産分割をしてしまう

預貯金や不動産だけを確認して遺産分割を終えた後、しばらく経ってから新たに遺産が見つかることがあります。中でも、ネット銀行やネット証券、株式、生命保険、デジタル資産などについては、通帳や郵便物だけでは相続財産を把握できないケースも珍しくありません。

苦労して遺産分割を成立させても、後から新たな財産が見つかった場合に、再度話し合いをしなければならないこともあります。

遺産分割を始める前に、できる限り相続財産を調査しておくことが大切です。

② 「家族だから大丈夫」と口約束だけで済ませてしまう

「兄弟仲が良いから書面はいらない」「母が全部相続することはみんな分かっている」と考え、遺産分割協議書を作成しないケースがあります。

しかし、その後に不動産や預貯金の名義変更ができなかったり、相続人の認識に食い違いが生じたりして、トラブルへ発展することもあります。

相続人全員の合意が得られた場合でも、内容を書面として残しておくことが重要です。

③ 相続放棄を考えているのに、相続財産に手を付けてしまう

借金が多い可能性があるため相続放棄を検討していたにもかかわらず、亡くなった方の預貯金を自由に払い戻したり、財産を処分したりしてしまうケースがあります。

相続財産の取扱いによっては、個別の事情に応じて法的な問題が生じる可能性もあります。

相続放棄を検討している場合には、自己判断で相続財産を処分する前に、弁護士へ相談することをおすすめします。

④ 相続人を正確に確認しないまま話し合いを進めてしまう

戸籍を十分に調査しないまま遺産分割を行い、後になって前婚の子どもや養子など、別の相続人がいることが判明するケースがあります。

相続人全員が参加していない遺産分割協議は、原則として有効とはいえません。

手続をやり直さなければならないこともあるため、まずは戸籍を確認し、相続人を確定することが重要です。

⑤ 「まだ時間がある」と思い、手続を後回しにしてしまう

相続放棄には原則3か月、相続税の申告・納付には原則10か月という期限があります。

また、不動産を相続した場合には、相続登記も期限内に行う必要があります。

悲しみや忙しさから手続が後回しになりがちですが、期限を過ぎると利用できなくなる制度や、不利益が生じる可能性もあります。

判断に迷う場合には、早めに専門家へ相談することで、適切な選択がしやすくなります。

まとめ

親が亡くなった後は、限られた期間の中で多くの手続を進めなければなりません。

特に、

  • 遺言書の確認
  • 相続人の調査
  • 相続財産の調査
  • 相続放棄(原則3か月以内)
  • 相続登記
  • 相続税の申告(必要な場合は10か月以内)

は、早めに確認しておくことが大切です。

相続の進め方は、ご家庭の状況や財産の内容によって異なります。

浜松市や静岡県西部でも、「何から始めればよいか分からない」「相続人同士で話し合いがまとまらない」といったご相談を多くいただいています。

相続手続に不安がある場合や、手続が複雑でお困りの場合には、早めに弁護士へご相談ください。


※本記事は2026年7月時点の法令に基づいて作成しています。個別の事情によって必要な手続や結論が異なる場合がありますので、具体的な事案については弁護士へご相談ください。

この記事は、静岡県浜松市の弁護士法人柴田・中川法律特許事務所(浜松事務所)の弁護士が監修しています。
同事務所では、浜松・静岡県西部地域を中心に、遺言、相続、遺産分割、相続放棄、成年後見などに関する法律相談に対応しています

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