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新NISAの口座は相続できる? 相続税や非課税枠の取扱いについて弁護士が解説

y-takanami

2024年から始まった新NISAは、非課税で資産形成ができる制度として広く利用されるようになりました。

金融庁の公表資料によれば、新NISAの利用者数は大幅に増加しており、50代、60代以上の利用者も少なくありません。

そのため近年は、

「親がNISA口座を持ったまま亡くなった」

「NISAで保有していた投資信託や株式はどうなるのか」

という相続のご相談も増えています。

今回は、新NISAと相続の関係について解説します。

NISA口座の資産も相続財産になる

まず前提として、NISA口座で保有している株式や投資信託も、通常の証券口座の資産と同様に相続財産となります。

そのため、

  • 遺言書がある場合は遺言の内容
  • 遺言書がない場合は遺産分割協議

によって承継する人を決めることになります。

「NISAだから相続の対象にならない」

ということはありません。

NISA口座そのものは相続できない

注意しなければならないのは、

NISA口座そのものを相続人が引き継ぐことはできない

という点です。

NISA制度による非課税措置は、口座名義人本人に認められた制度です。

そのため、口座名義人が亡くなると、そのNISA口座は終了します。

相続人が取得した株式や投資信託は、相続人名義の証券口座へ移管されることになります。

相続しても非課税枠は引き継げない

新NISAについて誤解されやすいのが、

「親の非課税枠も相続できるのではないか」

という点です。

しかし、非課税投資枠は口座名義人固有の制度であるため、相続人へ承継することはできません。

例えば、

父が新NISAで投資信託を保有したまま亡くなった場合、

相続人はその投資信託自体を取得できますが、父のNISA枠まで引き継げるわけではありません。

相続人が自らNISAを利用したい場合には、自身のNISA口座を利用する必要があります。

NISAでも相続税の対象になる

「NISAは非課税だから相続税もかからない」

と誤解されることがあります。

しかし、NISAで非課税になるのは、あくまで譲渡益や配当等に関する所得税・住民税です。

相続税とは別の制度ですので、NISA口座内の資産も相続税の課税対象になります。

相続税が発生するかどうかは、他の財産も含めた相続財産全体によって判断されます。

遺産分割で注意したい「価格変動」

株式や投資信託には、不動産や預貯金とは異なる特徴があります。

それは、

価格が日々変動する

という点です。

通常、相続財産の評価は被相続人が亡くなった日の時価を基準に行います。

しかし、実際に遺産分割が完了するまでには数か月以上かかることも珍しくありません。

例えば、

  • 相続開始時は500万円だった投資信託が400万円に下落する
  • 逆に700万円まで上昇する

ということもあります。

その結果、

「結果的に不公平だった」

という不満につながるケースもあります。

特に投資信託や個別株式の割合が大きい場合には、評価方法や分割方法について慎重な検討が必要です。

ネット証券の場合は口座の発見が難しいことも

近年は、

  • SBI証券
  • 楽天証券
  • マネックス証券

などのネット証券を利用する方も増えています。

ところが、ネット証券では紙の取引報告書を受け取っていないことも多く、相続人が口座の存在に気付かないケースがあります。

また、スマートフォンのみで管理している場合には、口座情報の把握がさらに難しくなることがあります。

そのため、

  • 利用している証券会社を家族に伝えておく
  • エンディングノートを活用する
  • デジタル遺産対策を行う

ことも重要です。

まとめ

新NISAで保有している株式や投資信託も、通常の金融資産と同様に相続財産となります。

もっとも、

  • NISA口座自体は相続できない
  • 非課税投資枠は引き継げない
  • NISA資産も相続税の対象になる

といった点には注意が必要です。

また、株式や投資信託は価格変動があるため、遺産分割の際にトラブルになることもあります。

近年はネット証券の利用者も増えており、相続財産の調査自体が難しくなるケースも見られます。

新NISAを利用している方や、ご家族が投資を行っている場合には、相続が発生する前から財産の把握や承継方法について考えておくことをおすすめします。

デジタル遺産については、こちらの記事もご参照ください。

この記事は、静岡県浜松市の弁護士法人柴田・中川法律特許事務所(浜松事務所)の弁護士が監修しています。
同事務所では、浜松・静岡県西部地域を中心に、遺言、相続、遺産分割、相続放棄、成年後見などに関する法律相談に対応しています

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高浪 由有
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